山本邦山と栗林秀明をゲストに
京都在住、沢井忠夫に師事した箏演奏家・金久千賀子の2ndアルバム。今回は、山本邦山と栗林秀明を迎えて、現代邦楽の人気曲7曲を聴かせる。
金久千賀子〈箏・17〉/山本邦山〈尺〉/栗林秀明〈17〉
春の海/八段/萌春〈長沢勝俊〉/神仙調舞曲〈唯是震一〉/雪ものがたり〈沢井忠夫〉/雨〈山本邦山〉/海へ〈栗林秀明〉
--------------------------------------------------------------------------
京都在住の箏奏者、金久千賀子の2枚目のアルバム。「箏の系譜」とは自身が感銘を受け、導かれた曲という内省的な意味合いもあるそうだが、主に現代曲から人気の高い作品が選ばれている。目玉は師匠の山本邦山との共演曲だろう。『春の海』ほか3曲の合奏では互いの呼吸もぴったりと合い、音色の粒立ちが際立つ。また、独奏では唯是の『神仙調舞曲』を全3章じっくりと聞かせるほか、栗林の『海へ』を十七絃でロマンティックに表現する。派手さはないが丁寧な作りが好印象。