人間国宝・初代富山清琴の貴重な芸談をじっくりと
初代富山清琴(1913~2008)の貴重な芸談を中心に、地歌・箏曲の歴史と、二代清琴を交えた鼎談をまとめた一冊。芸談は、昭和41年刊「清琴 地うた修業」を復刻収載したもの。師である富崎春昇との思い出をはじめ、戦前~戦後の地歌箏曲界の様子が生き生きと語られている。野川美穂子による「地歌・箏曲とは」では、近世邦楽史における地歌・箏曲の位置づけをわかりやすく解説。(A5判・286頁)
【地歌・箏曲とは】野川美穂子
近世の始まりとともに誕生した「地歌」と「箏曲」/地歌・箏曲はどのように伝えられてきたのか/地歌・箏曲の流派と楽器/地歌・箏曲のレパートリー
【芸談「清琴 地うた修業」】初代富山清琴 談
大阪のころ/上京の前後/内弟子六年/ひとり立ち/疎開と戦後/師匠の他界/道具と創作/録音やつれ/しくじり話/耳さまざま/富崎の芸風/南から北へ/古曲の自由
【清琴師と谷崎のこと】谷崎松子
【鼎談「二代富山清琴が過去から未来へ伝承するもの」】二代富山清琴・徳丸吉彦・田中健次
芸をひきつぐ/芸をそだてる/芸を次世代にひきわたす/地歌の将来