江戸中期、琴古流初期の尺八ファンの生き生きした心意気を読み解く
虚無僧研究会会長である著者が、同会の機関誌「一音成佛」での連載を加筆訂正して単行本化。副題にある「細川月翁」は熊本藩の支藩・宇土の江戸中期の殿様。二代目黒沢琴古に師事し、自ら製管をするほどの尺八好きで、多くの貴重な資料を遺した。本書の2/3はその資料の考察で、その他にも江戸時代の尺八愛好者に関する諸資料を読み解く。今も昔も尺八ファンの情熱は変わらないことが興味深い。
細川月翁文献/細川月翁文献(拾遺)/尺八名管「放下着」/駿州無量寺の門弟の記録/上州慈上寺の門弟の記録/遠州普大寺の門弟の飛騨国における記録/京都明暗寺の見聞役の記録/元治元年の「尺八名家懇望人記」/清埜淡水の琴古流本曲譜/「尺八碑銘」の碑について(A5判・274頁)
小菅大徹〈著〉