「息・肚・間」 - 聲明(声明)の知恵と魅力にぐっと迫る
薩摩琵琶弾き語り奏者、天台聲明演唱者である上田純子が、仏教聖歌「聲明」(声明)を海老原廣伸に師事し、自らもワークショップ等を行った経験から得た「知恵」をまとめた一冊。
前半ではその歴史と楽理を、後半ではこの古代の声が持つ知恵とパワーを実生活の中で役立たせるためのアイデアについて書かれている。聲明の知恵を知り、その実践を通して「息」を整え「肚」の位置を探り「間」のあり方を体得する。1200年以上もの間伝承されてきた「聲明」には、自分という個を鍛えるテーマから、チームワークの奥義、地域社会の問題解決、さらに国境や文化の違いを超えて地球人として協力し合うための秘訣、そして生きとし生けるものが共存できる持続可能な地球のあり方を創造するためのたくさんの知恵が秘められている。
この本ではいにしえの深い知恵を現代に活かせる、ユニークで小粋なアプローチによって「聲明」の魅力を紹介している。
上田純子〈著〉
はじめに
第1章:聲明とともに生きる:1. 聲明との出会い/2. 聲明ワークショップを始めたきっかけ
第2章:聲明の歴史:1. インドの聲明/2. 中国の聲明/3. 日本の聲明/4. 聲明の現在
第3章:聲明の楽理:1. 聲明の楽譜参照/2. 音階/3. 音律と調子/4. 旋法/5. 塩梅/6. リズムとテンポ/7. 旋律型/8. 変音/9. 記譜法
第4章:聲明の知恵を探る:1. 肚について/2. 間について/3. 呼吸とは何か/4. 吸う息の哲学/5. 違う声を受け入れる/6. 旋律型の世界/7. 塩梅の世界/8. 唄と散華のアヴァンギャルド性/9. 聲明を教育の中で役立てる/10.息遊び・音遊び
第5章:エクササイズ:1. 呼吸法のエクササイズ/2. 発声法のエクササイズ/3. 身体エクササイズ
おわりに
参考資料
(A5判204頁)